>批評感想

前作はローンチタイトルなのにグラフィック面では
現在の作品にも決して劣らないといわれる隠れた名作。
そして待ちに待った待望の続編がようやく登場。
その第一感想はというと、何か違う……。
この続編は、批判を受け止め正当進化が図られた。
狭いという批判を受けてマップは広く。
難しいという批判を受けて癖のない挙動に、吹き飛ぶ敵。
その結果、どこにでもある作品と成り果てた。
前作にあった荒削りながら突出したインパクトが皆無。
ありとあらゆる面が丸くなり、代わりの魅力も無い。

広さ、軽い挙動、軽い衝突反応、ブースト、
これら用意された素材から導かれる魅力とは、スピード感。
だが、高速時のブラーは小汚いだけでスピード感とは異なり、
衝突のリスクも少ないため、緊迫感からくるスピードの実感も無い。
あるのはミニチュアの街をラジコンカーで走るようなスケールの小ささ。

そして代償として失った要素があまりにも多すぎる。
広さのために失われた雑踏。
軽快な操作性のために失われた車の重さ、ひいては実在感。
私はダブルスティール1の魅力は実在感にあると思っている。
写実的なボケ味がある映像、
これでもかというほど走っている車、
操作もピーキー、接触すれば重たく響く。
これらが現実であるかのような錯覚を起こさせてくれる。
その魅力を、全て失くしてまで手に入れたDS2の広さは、ただの無為。

グラフィック面での後退も辛い。
広さと引き換えに、眼前の破壊可能な障害物が減った。
これにより破壊の爽快感を喪ってしまった上に、
破壊時のエフェクトまで消滅してしまった。
また、通常プレイ時のボケ味がゼロなのも痛い。
お陰でPSレベルな汚いテクスチャがそのまま掲示される。
画面から受ける写実的な美も、当然、無い。
あるのはポリポリしたコンピューターグラフィック。
リプレイ時にはきちんとボケてくれるので
せめてプレイ時に選べるフィルターに
ボケフィルタが用意されていれば違ったのに。

マイナス要素だらけで褒められる点はない。
しかし非常にバランス良くまとまっている。
グラフィックも悪くはない。
だから遊べる。
所謂佳作。
今作の辛いところは、前作と大きく色を変えてきたのに、
今作ならではといえる魅力をきちんと掲示できなかった所にある。
現実感を捨ててまで用意していったスピード感という要素が
プレイヤーに伝えきれるほどに昇華されていないので、
残ったのは、ありとあらゆる点が後退したという感想だけ。