批評感想

根本的にゲームの成り立たないシステムというものがある。
少し習熟した人間同士が戦えば決着がつかないゲームがある。
対戦ゲームとして、完全に崩壊しているものがある。
一つ二つ使用を自粛すればいいとか、
そんなレベルではなくバランス調整が放棄されたゲームがある。
驚いたことに、ネット対戦が売り物のゲームがそれであった。
おまけに、ネットを介した公式大会まで開かれた。

勝敗のつかない対戦ゲーム。
面白いわけがない。
それが答え。
“対戦ゲーム”として見た場合には
全ての面白いと思える要素は
根源的に潰され、つまらない、との結論に至る。

崩壊しているということの根拠を書く。
見た目に分かりやすいために、
諸悪の根源のように思われている空掘は何ら問題ではない。
大会ではポイント制の判定が用意されていたため必須だったのであり、
通常対戦時には何の意味も成さない。
真に問題なのはTELAのAPO吸引性の高さにある。
少しでもこのゲームに慣れれば、TELAに攻撃されないスレイトが強いと分かる。
むしろ対人においては基本の基本、スタートラインである。
よって攻撃用TELAは無用の長物となり、自ずとTELAは防御用に使われる。
TELAvsTELAとならないような地形を作れば
召還時間限界までAPOを殺し続ける防御兵器の完成。
凶悪なまでに吸い寄せるので、防御パーツの価値までが消滅。
3x3の水掘を使えば、絶対に進行されることのない、完全防御地帯が出来上がる。
そこでTELAを出し続けるだけで、このゲームの制限時間30分は終わる。
引き分け。
勝敗なし。
少し慣れるだけで決着が絶対につかなくなるゲーム。

シュールな大会末期(全ての要素が解析された後)の光景を書く。
36x36のマップに一面の空堀。
1pxでも普通の地表を残したら判定で負けてしまうからだ。
耐久度の低いマスターコアの周囲にはエナジーシールドの花畑。
これはランダムな飛び道具、スパークレインを防ぐために必須。
コアの周りは柵で覆い尽くされており、誰の侵入も許さない。
と同時に、こちらのAPOが外へ出ることもない。
ゲームが開始される。
全匹がコア周辺の砲身が明後日へ向けられた兵器へ乗り込む。
ハンマーボルトによって1匹でもAPOを殺されれば判定で負けてしまうからだ。
開始一分にして、互いに動かない完全な静寂が完成された。
数分後、モラルを最大値にするためモラルアップを唱える。
これも判定に影響を与えるからだ。
当然、相手も同じようにする。
終了10秒前、相手のモラルを下げるためモラルダウンを唱える。
当然、相手も同じようにする。
30分経過、試合終了。
互いに判定ポイント0。
引き分け。

大会ではマッチングはランダムに行われる。
“やる気満々”の相手と当たればニラメッコ。
数少ない初心者でポイントを稼ぐために必死に待つ。
判定ゼロを狙った完全防御型スレイトであっても
初心者が相手なら、別にTELAだけで勝てる。
そもそも、手動で一匹ずつ柵の外に出すことも出来るので何ら問題はない。
かように、一言で言って、初心者とは、カモである。
どんな美辞麗句で飾ろうとも本音はそんなものだ。
綺麗事を唱えていた方々も第四回大会までは、
空堀全開であったのが心底笑えない。
その醜い空堀を手にしながらその台詞を吐くというのか!
誰かをスケープゴートにして、俺は違うとでも言いたいのか?
50歩100歩の自身を見ないでよくもまあ、素晴らしき偽善。
汚れた神経があるのなら、いっそ表に出せばいい。
汚れを自称正義で隠す行為には吐き気がする。

以上のように、対戦ゲームとして楽しみを見出すことは難しい。
残るは、綺麗な、もしくはアイディアに満ちたスレイト作成を楽しむこと。
バンプの効いたキューブ状の地表に可愛いパーツやキャラクター。
十二分に映像面では魅力的で楽しい。
が、ここにも大きな罠がある。
自由に作れないのだ。
一回に地表を弄れる回数が決まっていて、それも非常に少ない。
例えば、たかだか地表を平らにするだけでも数十分かかる。
回数がなくなる度に雑魚敵とわざわざ戦って回数を補充しなければならない。
凝った地形を作りたいと思ったら数時間どころか数十時間かかってしまう。
しかもその時間のほとんどはスレイト作成ではなく、
意味のない回数補充のためだけの雑魚戦に費やされる。

結論、は、企画だけのゲーム。
光るところは在る、が、
ひたすらに塗りつぶす味付けが施されているため
楽しむためには相当な忍耐力が必要。
対戦を楽しむためには、素の状態じゃ話にならないので規制が必要。
しかし単純に、強すぎるパーツがあるからそれを禁止すればいい、
といった次元じゃなく規制しなければならないことが多すぎる。
オフラインのスレイト構築を楽しむための忍耐は単純。
ただひたすらに雑魚戦を我慢すればいい。
ああ、耐えられる?
愛とよほどの思い入れがあるのなら、ね。